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糖質Carbohydrate

炭水化物から、体内で消化ができない食物繊維を除いたものが糖質です。
脂質、たんぱく質と共に3大栄養素と呼ばれ、最も早くエネルギー源に変わります。

糖質

糖質とは

炭水化物の1つであり、単糖の結合数により、ブドウ糖や果糖と呼ばれる単糖類、ショ糖などの少糖類、でんぶんなどの多糖類に分類されます。 身体を動かすだけではなく、脳や神経組織、赤血球などの各組織のエネルギー源としても活用されており、消化吸収率は99%と無駄なく利用されています。

糖質の働き

エネルギー源として利用・貯蔵する。

1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。
体内に入った糖質は、グルコースに分解され、血液中に送り出されて各組織のエネルギー源として利用されます。
グルコースの一部は、複数のグルコースからできるグリコーゲンに変えられ、肝臓や筋肉に貯蔵されます。貯蔵量は体重の0.5%と非常に少なく、余ったグルコースは、脂肪として蓄積されます。糖質の過剰摂取や麺類などの糖質のみの食事は、グルコースが余りやすく注意が必要です。また、ビタミンB1は、グルコースを効率よくエネルギーに変えることができる栄養素ですので、一緒に摂ることを心がけましょう。

血糖値の調整

血糖値とは、血液中に流れているグルコースの濃度を表した数値です。
食事で摂った糖質はグルコースに分解されて、血液中に流れます。血糖値が上がるとインスリンというホルモンが分泌され、血液中のグルコースを細胞に取り込み、エネルギーとして利用します。一方、血糖値が下がるとグルカゴンというホルモンが働き、肝臓に溜めたグリコーゲンを分解して、グルコースを血液中に流します。
このように、血糖値は適度な数値を保つようコントロールされており、食後30~60分に最大濃度まで上がった血糖値は、2~3時間後には正常値に戻ります。
血糖値が急激に上昇して下がることを「血糖値スパイク」と言い、繰り返されると血管の内側が傷つくことが分かっています。傷ついた血管はプラークができやすく、修復を繰り返す中で血管内の壁が狭くなることもあり、動脈硬化のリスクを上げる原因になります。
また、血糖値を下げる際に分泌されるインスリンは、脂肪の合成を促進する働きも持つことも分かっています。

高血糖にならない工夫とは?

血糖値の上がりやすさを指数化したものをGI値(グリセミック・インデックス)と言い、GI値が高いほど、食後の血糖値が上がりやすい食品と言えます。同じ糖質でも、スイーツなどに含まれる砂糖やブドウ糖は、体内での吸収が早いためGI値が高く、分づき米、全粒粉パン、くず粉などは、食物繊維を多く含むことで体内での吸収が緩やかになるためGI値が低くなります。
血糖値の上昇は、食べ方によっても異なることが分かっており、ゆっくりよく噛んで食べたり、野菜やたんぱく質などのおかずを先に食べることで血糖値の上昇が緩やかになります。

糖質

糖化とは?

食事で糖質を摂り過ぎると、糖化という老化現象が起こります。
これは、食べた糖質と体内のたんぱく質が結合し、終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)、略してAGEが発生されることで起こります。
私たちの身体は、大部分がたんぱく質で構成されています。
そのため、糖化は全身に支障をきたし、シワやくすみができるといった肌の変化だけではなく、動脈硬化や骨粗しょう症、アルツハイマー病など、様々な病気にも繋がりやすくなります。
食事直後に血液中のグルコースを減らすことができれば、糖化せずに戻すことができますが、そのまま放置すると元に戻すことはできません。 糖化させないためには、血糖を上げない、高血糖を継続させないことが最も有効です。糖質過多、GI値の高い食事を避けることに加え、食べ過ぎたと感じた時は、食後30分〜1時間、軽く身体を動かすことを心がけましょう。

糖質を効率よく摂るために

食事摂取基準(厚生労働省)では、18歳以上の目標量は、男性・女性共に1日の摂取エネルギーの50~60%としています。国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、20歳以上の糖質の摂取平均値は男性282.3g/日、女性227.9mg/日と概ね目標量の基準に当てはまっています。

精白米(茶碗1杯分)58.2g
食パン(6枚切り・1枚)27.8g
生うどん(生・1人分)73.8g
生そば(生・1人分)70.9g
パスタ(1人分)61.0g
砂糖(100g)100g

糖質を含む主な食品

過剰摂取について

耐容上限量は設定していませんが、エネルギーとして利用されなかった糖質は脂肪として蓄積されたり、高血糖の原因になりますので注意が必要です。

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