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コレステロールCholesterol

ギリシャ語で胆汁という意味の「コレ」と化学構造を意味する「ステロール」から名付けられたコレステロールは、保湿や乳化安定化の役割として化粧品や医薬品などにも利用されています。

コレステロール

コレステロールとは

細胞膜、胆汁酸やホルモンの材料となる脂質の1種です。大切な働きを持ちますが、体内で合成することができるため必須栄養素ではありません。体内で生成されるコレステロール量は全体の70~85%であり、それ以外を食事で補っています。血液中に含まれるコレステロール量が増えると動脈硬化などのリスクが上がるため、注意が必要です。

コレステロールの働き

ホルモンの材料になる

血糖値や血圧の調整、炎症などの免疫反応に関与するホルモンや性ホルモンといったステロイドホルモンの材料になります。これらのホルモンの分泌が不足すると、倦怠感を感じたり、喘息や肌の炎症などの免疫機能の症状を抑えることができなくなります。
また、皮膚に存在するコレステロールが紫外線に当たることで、ビタミンDに変換されます。

細胞膜の材料になる

体内を構成する細胞を覆う細胞膜は、たんぱく質とコレステロールを主成分として構成されています。
細胞膜は、細胞を保護するだけではなく、必要な物質を分別して取り入れたり、身体の情報を細胞に伝える役割を持っています。

脂質の消化・吸収を促す

体内の消化液である胆汁の材料になり、脂質の消化・吸収を促進します。
肝臓で作られた胆汁は、食事で脂質を摂取すると十二指腸に分泌され、脂質を分解して吸収しやすくします。また、膵液から分泌される脂質の消化酵素を活性化させます。
胆汁の主成分である胆汁酸は、役目が終わると再吸収されて肝臓に戻り、再び、胆汁として活用されます。

脂質異常症とコレステロールの関係とは?

コレステロールは水に溶けない性質を持つため、血液中では、たんぱく質と結合したリポたんぱく質という形で存在しています。
リポたんぱく質は、密度の違いによりLDLコレステロールやHDLコレステロールなどに分類されます。LDLコレステロールは、コレステロールを肝臓から全身に運ぶ働きを持ち、血液中のコレステロールを増やして動脈硬化のリスクを上げることから、別名、悪玉コレステロールと呼ばれています。一方、HDLコレステロールは、余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きを持つことから、善玉コレステロールと呼ばれています。
体内のコレステロール量は、一定の範囲を保てるよう生成量が調整されているため、摂取したコレステロールが血中コレステロール数値に直接反映される訳ではありません。しかし、脂質を大量に摂取し続けたり、体内で合成しているホルモンのバランスが崩れると血液中のLDLコレステロール量が増え、動脈硬化のリスクが高まります。
LDLコレステロールを増やさないためには、肉の脂身や揚げ物、バターやラードなど食品を控えたり、青魚、オレイン酸を多く含むオリーブオイルなどのLDLコレステロールを減らす働きを持つ食品を多く摂取することが有効です。

コレステロール

コレステロールを効率よく摂るために

食事摂取基準(厚生労働省)では、18歳以上のコレステロールの目標量は、男性・女性共に200㎎/日としています。国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、20歳以上の摂取平均値は男性362.7㎎/日、女性315.2㎎/日と多いことが分かっています。

鶏レバー (100g)370㎎
たまご (1個)280㎎
豚レバー (100g)250㎎
するめ (足5本)98㎎
かずのこ (1切)37㎎
さくらえび (3g)21㎎

コレステロールの多い食品

過剰摂取について

コレステロールの耐用上限量は設定されていませんが、脂質異常症や循環器疾患などの生活習慣病を予防する目的として、200 mg未満/日にすることが望ましいとしています。

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